赤旗6月1日
読者の広場

女子高生殺害
事件で考える
東京・練馬区 杵渕 智子(通信労働者 55歳)

 女子高生監禁殺害事件は、大変なショックを多くの国民、とくに活動家に与えまし
た。しかし私たちは、この事件が起こったことで萎縮することもありません。とはい 
え、今私たちは、とりわけ共働き家庭の子育て、活動家夫婦の子育てを真剣に考えると
きであります。
 私の住む地域ではシンポジウムを開き、考える会をもちました。まだまだ夫たち、父
たちの子育てへの積極性、地域や学校を見る目が希薄で観念的だと思います。
 私は自分の子どもが遭遇した進路選択の失敗などから、父母がともに家庭を支え、本
当に努力すべきは子の思春期であり、子どもが難しくなると避けようとする態度があっ
てはならないと思います。
 この事件の本紙の連載が終わりました。外では熱心な活動家の父が、子どもが「決め
られた仕事」をやらなかったとき「体罰」を加える。妻は「夫の活動を尊敬もし支えよ
うと考えてきた」と書かれていましたが、私は疑問に思いました。
 熱心に活動する夫と、子どもに「機械的に」体罰を加える夫の二面性を一番知ってい
た妻は、夫に不信も持っていたのではないでしょうか。
 私には、その夫婦の隙間に子どもの非行の芽が育ち、最悪のところまでいったと思
われて、子どもたちが不憫(ふびん)でなりません。
学校教育のありようも重大ですが、私は今、女たちが長年してきたように、男性も父
親大会を開いて学んでほしいと、しきりに思います。


情報過多の中
起きた悲劇だ
埼玉県 新川 葉子(元教員 54歳)

 「追跡女子高校生監禁殺害事件」を読んで、私は情報過多の中での悲劇だと判断しまし
た。ご両親は子育てにほんとうに一生懸命だったのだとつくづく思います。それで、よか
れと思うことは積極的に子育てにとり込んだのでしょう。
 ところが、いつの時代であっても、子育ては"まねごと"ではできないのです。新
しい子育ての理論が真に生きて使えるようになるためには、まだまだ時間がかかりま
す。教育実践でも、理論が日常に生きて使えるようになるまでには十年はかかります。
 ですから、最新の子育て論は、すぐに使えるというようには考えないで、まずは自分が
育てられたように育てることを基本にしながら、新しい理論を少しずつ組み込むように
するといいようです。
昔からある、"ねこかわいがり"を、急に否定しないで、それを残しつつ、いまいわれ
ているよいと思われるものを組みこむことがいいようです。

 それにしても、殺害事件の追跡という勇気あるとりくみに頭がさがりました。この追
跡を資料に、みなさん大いに語り合いましょう。